履歴書になぜ印鑑が必要?訂正に修正テープはアリ?基本的な履歴書の印鑑マナーまとめ
転職・就職の際に応募企業へ提出する「履歴書」。
「企業側に経歴や職歴がわかればいいや」「決められた項目さえ埋めて出せばOK」と思っていませんか?履歴書にも基本的なマナーがあり、それらが守られていないと、ビジネスマナーのない人、常識のない人と思われてしまうかもしれません。
今回は、履歴書への「印鑑の押印」と「修正の仕方」のマナーについて紹介していきます。疑問を解決して正しい履歴書を作成していきましょう。
この記事のもくじ
履歴書のマナーいろいろ。印鑑、訂正、修正テープ
履歴書を書く上でのマナーにはさまざまなものがありますが、今回ご紹介するのは「印鑑の押印」と「修正」についてです。
まず、「印鑑の押印」は最近の履歴書のフォーマットを見るとわかりますが、印鑑を押印する場所が用意されていないものが主流となっているようです。少し前の時代には、履歴書への押印は必須といっても良いほどだったので、どこに押印すべきか、印鑑を押す必要がなくなったのか、悩んでしまいますね。
さらに「修正」については、修正テープを使っても良いのか、消せるボールペンで書いたら修正が簡単そうだ、と正しいマナーを知りたい場面が多くあるのではないでしょうか。
それぞれの詳細について見ていきましょう。
履歴書に印鑑の押印が必要な理由
最近の履歴書のフォーマットを見てみると、印鑑の押印欄がないものが多くあります。
これは、1997年に閣議決定された「押印見直しガイドライン」で、履歴書は「押印を求める必要性や実質的意義が乏しく、押印を廃止しても支障のないものは廃止し、記名のみでよいこととする」(「押印見直しガイドライン」より)とされたからです。
つまり、「履歴書への押印は必要ない」ということ。押印欄のない履歴書の場合は、押印せずに提出しても問題ありません。
では、どんなときに印鑑の押印が必要となるのでしょうか?
2つのケースをご紹介します。
履歴書の「押印欄」がある
押印欄が用意されている場合は、印鑑を押印するようにしましょう。書類の不備と思われるかもしれないので、忘れずに押すようにしてください。
企業側から押印するように言われた
氏名の右横に印鑑を押印するようにしましょう。わざわざ指示があるということは、企業側の何らかの理由で押印が必要ということです。しっかりと押印を確認してから提出するようにしましょう。
応募要項に「履歴書に押印のこと」とあるのに、押印を忘れて提出してしまった場合は、すぐに謝罪の連絡をして今後の対応を聞きましょう。再提出を求められた場合には、詫び状といっしょに押印済みの履歴書をすぐに送付するようにしてください。
さらに、押印する場合の注意点についても見ていきましょう。
履歴書に押印欄がない場合はどうすれば?
前述した通り、最近では押印欄がない履歴書が増えてきています。1997年に閣議決定された「押印見直しガイドライン」により、履歴書への押印の必要性が低いとみなされたことが大きいようです。そもそも書類に印鑑を押すのは、「間違いなくこの書類は私が作成しました」ということを証明するために行う作業であり、銀行や保険の手続きなどの特に重要な書類に求められることが一般的です。もちろん履歴書も重要な書類ではありますが、押印欄がない=押印の必要はないと考えて問題ありません。
企業から押印を求められた場合は、押印欄があるものを利用するのが望ましいでしょう。もし押印欄がないものしか手元にない場合は、氏名の右横に押印すれば問題ありません。
押印に失敗した時は…
印鑑を押す作業は慣れていない人も多く、失敗したことがある人もいるのではないでしょうか?その時どうすべきなのか、正しいマナーを確認しておきましょう。
失敗した!と判断する基準は○○
少し斜めになってしまったり、多少にじんでしまったりという程度であれば問題ありません。逆向きに押してしまったり、印影がかけてしまったり、薄すぎて見えない、全体的ににじんでいるなど、正しく認識できない状態の場合は、失敗だと思ってください。
失敗してしまった場合は、もう一度履歴書を書き直すようにしましょう。押印の一か所くらいと思うかもしれませんが、履歴書はあなたを判断するための重要な書類です。少しでも雑なところがあると、担当者の印象は悪くなってしまいます。せっかく頑張って書いたのに、最後の押印で失敗して書き直すのはできれば避けたいですよね。そんなことにならないために、書き始めに押印しておくことをおすすめします。後で説明する「印鑑の押印の仕方」を参考にポイントを押さえて、丁寧に作業するようにしましょう。
使用する印鑑の選び方
印鑑を選ぶ際の注意点として、「シャチハタ」を選ぶのはNGです。シャチハタはインクを使用しているため、時間の経過によって劣化してしまったり、濡れると滲んでしまったりするので、ビジネス用の書類である履歴書には不向きです。
履歴書への押印には朱肉を使う印鑑を使用しましょう。認印を使うのが一般的なので、100円ショップで売っている印鑑を使用しても問題ありません。
印鑑の押印の仕方
印鑑を上手に押印するためのポイントも見ていきましょう。
綺麗に書いた履歴書への最後の押印が失敗してしまうともったいないので、履歴書を書き始める前に押印するのがおすすめです。
(1)印鑑の印字面をチェック
印字面が汚れていないか、ゴミなどがついていないかチェックしましょう。
(2)押印用のゴムマットを敷く
履歴書の下に柔らかいゴムマットを敷いてから押印することで、綺麗に押すことができます。ゴムマットがない場合は厚手のノートなどで代用することが可能です。
(3)朱肉を叩くように軽くつける
印鑑に朱肉をつけます。しっかりとつけようと力を入れがちですが、印鑑を朱肉に押し付けてしまうとにじみやゴミ詰まりの原因となるので、朱肉を軽く叩くようにつけるようにしましょう。
(4)真上から押印する
印鑑の向きに注意して、真上から押印しましょう。枠からはみ出さないように注意しながら押すといいでしょう。
履歴書の訂正に修正液や修正テープを使うのはNG
記入しなければならない項目が多い履歴書。たった1文字の間違いであれば、修正液や修正テープで訂正してしまいたくなりますよね。しかし、履歴書に修正液や修正テープを使うのはNGです。きれいに修正できたとしても、直したことがわかってしまうので、間違いがあった場合は履歴書を書きなおすようにしましょう。
では、一体なぜ訂正に修正液や修正テープを使うのがダメなのでしょうか。
それは、履歴書がとても重要な文書だからです。
履歴書は、あなたの経歴や職歴を証明して、企業側が採用の判断をするための書類です。もし誰かが経歴や記載内容を書き換えていたら、正しい採用の判断ができなくなってしまう可能性があります。修正液や修正テープの跡があれば、誰がその修正を行ったかがわからず、文書としての信憑性が下がってしまう危険性があるのです。そうならないためにも、修正液や修正テープでの訂正はやめましょう。
また、最近は消えるボールペンを愛用している人もいるでしょう。そういった筆記用具で書けば、間違いがあっても跡を残さずに修正をすることができますよね。しかし、これも上と同じ理由でNGとなります。
消えるボールペンは摩擦によって消えてしまうので、履歴書の一部が消えてしまったり、読みにくくなってしまう可能性もあります。履歴書を書くときはボールペンや万年筆を使うように心がけましょう。
どうしても履歴書を訂正したい時は…
せっかく書いた履歴書、書き直す時間がない場合はどうしたらよいのでしょうか?
まずは間違えてしまった箇所に、定規を使って二重線を引きます。その上に訂正印を押し、上下どちらかの空いているスペースに正しい文章を書きます。公的な文書作成の際にも用いられる訂正方法なので、このやり方であればOKです。しかし、訂正箇所があまりにも多い文書は見栄えがよくありません。可能であれば訂正は1箇所にとどめるのが理想です。また、訂正印はシャチハタではなく朱肉を付けるタイプの印鑑を使用しましょう。
もし心配なら、面接に認め印を持参するのも
どうしても心配な場合は、面接に認め印を持参しておくと安心ですね。面接官が年配の場合や交通費を支給される場合など、押印を求められる可能性もゼロではないため、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。その際、シャチハタ以外のものを選ぶようにしましょう。
実は印鑑は削減されているところ
実は、国をあげて押印を削減する動きがあるのをご存じですか?「押印見直しガイドライン」の発表とともに、事務作業の効率化を図るため、業務で取扱う書類に関しては実際の押印ではなく「電子署名」に移行しつつあるのです。そういった流れを汲み、履歴書でも押印欄がなくなりつつあると考えられます。
履歴書の日付の書き方、年号にもマナーあり
今回は履歴書への「印鑑の押印」と「修正の仕方」のマナーについて紹介してきましたが、履歴書の「日付の書き方」「年号」にもマナーがあります。しっかりとマナーを守って書類選考を通過する履歴書を完成させましょう。
まとめ
知っているようで知らない履歴書のマナー「印鑑の押印」と「修正の仕方」についてご紹介してきました。履歴書は、採用を左右する重要な書類です。マナーを知らずに自己流で提出してしまうと、採用担当者に悪い印象を与えてしまうかもしれません。
面倒だと思ってちょっと手を抜いただけで、あなたの本質が伝わる前に不採用になってしまっては、勿体無いと思いませんか?ミスのないマナーをきちんと守った履歴書を送ることで、採用担当者に好印象を与え、転職・就職を勝ち取りましょう!