残業100時間って実際にどんな生活?まさにブラック企業!?過労死の危険も

残業100時間って実際にどんな生活?まさにブラック企業!?過労死の危険ものイメージ

「残業代は嬉しいけれど、さすがに今月は体力がきついな…」と感じた方は月間何時間残業をされたか把握されていますか?企業から月間100時間を超えるような残業を強いられているような状況ではありませんか?若手社員の過労死がメディアで取り上げられ、企業側が改善を求められたニュースはどなたにとっても記憶にあたらしいことでしょう。この記事では、「残業100時間」というキーワードのもと、実際にはどのような生活なのか、企業に問題はないのか解説します。

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この記事のもくじ

残業100時間は、1日13時間労働!?

残業100時間という言葉を聞いて、1日の労働時間がピンと来た方もいらっしゃることでしょう。通常の勤務時間以外に残業を100時間しているということは、計算して実に1日13時間もの時間を仕事に費やしているということになります。誰しも1日はトータルで24時間ですので、その半分以上を毎日仕事に当てているのです。現在お勤めの企業で、すでに月間100時間を超える残業をしているという方は特に注意して読んでいただくことをおすすめします。

100時間残業したら、生活スタイル、心と身体はどうなる?

月間100時間を超える残業をしている場合は、たとえ上司や同僚が「働き盛りは普通だ」と言っているとしても「異常な働き方」であるという認識を持たなくてはいけません。それは後に説明しますが、たとえ法的に認められる状況であったとしてもです。

働きすぎの状態にある人が心配されるのが「過労死」です。過労死を引き起こす最大の原因は働きすぎ、その中でもとくに長時間の労働であることは明らかになっています。生活スタイルをひとつとってみても、それは歴然としていますので具体的に解説します。

残業100時間超だと…睡眠時間が足りない

就業時間が9時から17時の企業を例に取り、7時に起きて9時より前に出社、そして17時から5時間残業するとします。帰宅時間は住んでいる場所にもよりますが、22時頃に退社した場合おおよそ23時前後となるでしょう。そこから食事や翌日の準備をして寝ようとすると当然ながら24時を過ぎてしまいます。社会人である以上、そのような日があることもないわけではなりませんが、毎日この状態では当然睡眠時間に悪影響を及ぼします。

残業100時間超だと…食事の時間が遅くなる

帰宅時間を先程明示したとおり、夕食をとる時間は深夜となります。また翌日の起床時間を鑑みるとすぐに床につくことになるでしょう。十分に消化されないまま睡眠を取れば、当然ながら消化不良を起こしやすくなりますし、また内臓も睡眠時間に休むことなく消化に使われることになります。翌朝は消化不良の気持ち悪さや腹痛が残る状態が続いていきます。食事の時間が夜遅くなることは、健康全体に悪い影響を及ぼします。

残業100時間超だと…コミュニケーションが取れない

毎日帰宅が23時を過ぎ、そこから翌日の起床時間を逆算して寝る生活をしていれば、これまた当然ながら社外の人とのコミュニケーションを取る機会を著しく失います。ときには会社や業務と関係のない人とのフランクなコミュニケーションを通じてリフレッシュし、業務のストレスを発散することも大切ですが、残業100時間超という環境下ではそれも難しいでしょう。必然的に心身ともにストレスで充満していくのです。

残業100時間超だと…それに慣れてしまう

残業時間過多の環境で働いていらっしゃる方にとって一番恐ろしい症状が、「残業時間過多の環境に慣れきってしまう」ということです。とくに、学業を修了してすぐに新卒として入社した企業にそのような企業体質がはびこっている場合、他社の労働環境との比較がしにくく「みんなきっとこれくらい頑張っているんだ」という気概で無理をし続けてしまい、また自分が管理職になったときにも部下や同僚に対してそれを繰り返してしまうという恐ろしさがあります。

法律的には残業100時間って違法じゃない?

「そもそも、社員に対して100時間以上もの残業時間を強いることは違法なのでは…?」とお思いになる方もいらっしゃるでしょう。結論から言うと、100時間超の残業は違法にはなりません。ただし、それには明確な条件があります。

使用者が、労働基準法第36条に基づいた労使協定を労働者との間で結んでいる場合(通称:36“サブロク”協定)のみ月に100時間を超える残業をすることが合法となります。(出典:労働基準法第36条(時間外・休日労働協定)について|厚生労働省

つまり労使協定を結ばずに、「今月も頑張ってくれ!」となあなあの状態で残業をさせている企業であれば、違法となります。

これまで、十分な労使協定を結び、適当な残業代を支払っていたにもかかわらず訴訟となったケースもあります。該当の労働者が、月に102時間23分~293時間14分もの残業を行っていたケースです。この労働時間は誰の目に見ても「働きすぎ」であるということがおわかりいただけるはずです。労使協定を結び、適切な残業代を支払えば残業は無制限にできるのではなく、企業側も過労死認定基準に留意して残業時間を管理しなくてはならないのです。(出典:送検事例 平成22年度 | 東京労働局

残業100時間の毎日を脱出する方法

残業100時間生活をすでに送っていらっしゃる方は、どのようにして脱出すればよいかを知りたいとお思いでしょう。そのような生活スタイルでは、すでに体力の消耗も著しく、場合によっては心身ともに不調が現れ始めているのではないでしょうか。もし、あなたがまだ20~30代で体力がある場合、残業100時間は辛いものの何とか継続できるかも知れません。しかし10年後、20年後、そのような働き方は絶対にできません。それ以前に体調を崩して使い物にならなくなってしまう場合もあります。そのような状況を避けるためにも、次にご紹介する方法をまずは実践してみてはいかがでしょうか。

  • 上司に現状(残業時間)を話し、改善できないか相談する
  • 上司が応じてくれない場合、人事部など社内の人間に相談する
  • 会社全体で現状を無視する場合には労働基準監督署に頼る

一般的な方法としてはこの3つが挙げられるでしょう。しかし、一度会社として残業100時間が当たり前という文化になってしまっていると、そうそう期待するような変化は起きないのも事実です。その場合には、これまでの経歴を生かしてもっと健康的で実のある生活を可能にする職場に転職してみてはいかがでしょうか。

転職エージェントに登録し、現状をよく説明した後に転職した先の企業ではどのようなことを望むかを明確に伝えることで、過労死寸前の状態で働くよりもポジティブな方向にキャリアを向かわせることができるでしょう。

まだ支払われていない残業代を請求したいが、証拠がなくて困っている方は以下の記事も参考になります。
未払いの残業代を請求するには?証拠がない場合の対応、退職後も可能か?弁護士予約サービス『カケコム』

まとめ

「過労死」と聞くと驚きますが、残業100時間と聞くと「まあ、そんなものかな…」と思ってしまう方も中にはいらっしゃるのではないかと思います。先に説明したとおり、納期が迫っているプロジェクトがあるなどといった明確な期間を定めた場合を除き、このような長時間労働が慢性化している企業は健康な体質にあるとは言えません。どんなに給与が魅力的でも、命に替えられるものではありませんので、できる限り改善できるように行動し、それが叶わない場合には自分の健康を優先する方法を選択しましょう。