未経験や第二新卒でもラウンダーに転職するには?営業職との違いや仕事のやりがい、スキル、転職方法の本当のところ
「ラウンダー」という職種は聞いたことがあるけれど、その仕事内容についてはあまりピンとこないという方は多いのではないでしょうか。一言で言うと、営業担当者がカバーしきれない領域のサポートであり、営業職未経験者にはかなり荷が重そうなイメージです。
しかし、実は未経験でも歓迎され、転職のハードルが低い職種のひとつです。この記事では、ラウンダーの基礎知識をクローズアップ。転職する方法についてもご紹介します。
この記事のもくじ
ラウンダーとは?
ラウンダーとは、企業の営業担当者の代わりに取引先の店舗(スーパー、ドラッグストアなど)を定期的に巡回(ラウンド)するスタッフのことを指します。単に巡回するだけではなく、「企業の顔」として取引先に挨拶するとともに商品の在庫確認や陳列状況の調査を行い、その結果を営業担当者にフィードバックすることで、自社製品の売り上げ向上に寄与します。つまり、営業担当者と取引先、ひいては、その先にいる消費者との架け橋的な存在です。
営業担当者の代理と言っても特に専門的な資格や知識は必要なく、実質、「足」さえあれば業務を遂行でき、時間の融通も利くため、主婦のパートとしても人気が高い職種のひとつです。
営業職との大きな違いは、営業職が取引先と商談を行い販促につなげる一方で(風上)、ラウンダーは商談で決定した現場に出向き、営業職の指示のもと、販促活動を行うことです(風下)。どちらも目的は商品の売り上げ向上→企業の利益につなげることですが、アプローチの方法はまったく異なります。
また基本的に、ラウンダーには営業職のような厳しい「ノルマ」もありません。こちらの記事を読めば、営業職とラウンダーの違いについて、さらに理解が深められることでしょう。
ラウンダーは、
- 営業担当者の代理として取引先を巡回する
- 目的は自社製品の売り上げ向上
- 取引先と営業との架け橋的存在
ラウンダーの役割・仕事内容
ラウンダーの仕事内容は、主に3つです。
- 店舗の巡回
- 売り場の確認&改善提案
- 営業担当者への報告
ラウンダーは、1日に複数の店舗を巡回し、各店舗では下記のようなアクションを行います。なお、活動する時間は、店舗や店舗を利用するお客さまになるべく迷惑がかからない、平日の10時~16時に設定されていることが多いのが特徴です。
①挨拶
月に1~2度、取引先の店舗を訪問して挨拶をします。営業の代理であり、企業の「顔」として訪問するので、身だしなみや言葉使いは重要です。
②陳列チェック
商品がどのように陳列されているかチェックし、店舗に配置変えなどの提案を行います。また、競合他社の商品の配置や売れ筋の動向など、売り場の状況も調査・確認するほか、売り場面積についての交渉も行います。
③在庫補充
商品の売れ行き状況を確認し、在庫が足りないようなら補充します。この時、補充しすぎてもロスを生む可能性があるため、売れ行きを予測するスキルが求められます。
④販促物の設置&ディスプレイの提案
POPなどの販促物を設置します。消費者の目を惹きつけないと意味を持たないので、アイデアが求められます。また、商品のディスプレイもお客さまの購入意欲に結びつくものです。ラウンダーのセンスで、魅力のある売り場の魅せ方を提案します。
⑤新商品の紹介
新商品が発売された際に、店舗の担当者に商品の魅力を伝えるのもラウンダーの重要な役割です。商品への理解はもちろん、的確な伝達力(話術)も求められます。
⑥営業担当者へのフィードバック
上記について、営業担当者に細かく報告します。結果はもちろん、改善すべき点も共有します。
ラウンダーの仕事の魅力ややりがいは?
ラウンダーの仕事にはどんな魅力ややりがいがあるのでしょうか?
自分の成果を数値で確認できる
ラウンダーの大きなやりがいは、自分の業務の成果を現場(売り場)や数値で目に見えて痛感できることにあります。ラウンダーとして活躍するのは主婦層がメインですが、特に家事や子育てで社会からしばらく離れていた主婦にとっては、業務を通じて社会に参画していると身を持って知ることができます。やりがいや生きがいにつながり、イキイキした日々を送ることができるでしょう。
ラウンダーの仕事の魅力とやりがいは、
- 自分の力で会社の売り上げをアップさせられる
- 煩わしい人間関係がない
などがあります。
ラウンダーの仕事で大変なこと
ラウンダーの仕事にも大変なことがいくつかあります。
プレッシャーと背中合わせ
自由度が高く本人の裁量に任せられる側面が大きい分、自分の責任は自分で負うことになります。つまり、売り上げがアップするのもダウンするのも自分次第であり、常にプレッシャーと背中合わせです。もちろん営業担当者も力になってくれますが、肝心な時に連絡が取れなかったりすることも。そうした場合は自分の判断で行動するしかなく、孤独を感じてしまいがちです。
外回りメインなので体力が必要不可欠
また、営業担当者の代理なので、外回りがメインです。真夏や真冬の時期に複数社を訪問するのは移動だけでもかなりの体力を消耗しますし、商品によっては力仕事になることもあります。そのため、体力に自信がない方にとっては苦痛でしかないかもしれません。
クレームを受けることもある
さらにラウンダーは、取引先である店舗と、自社の営業担当者との間に立つため、時には板挟みとなり双方からクレームを受けることもあります。店舗は複数社のラウンダーに日々対応していることから、一社のラウンダーの要望に付き合っている暇はありません。
一方で、店舗の売り上げがなかなか伸びなければ、営業担当者の葛藤は現場担当であるラウンダーに向けられます。ストレスが蓄積しやすい立場ではありますが、どんな時も中立を心がけるようにしましょう。
ラウンダーの仕事で大変なことは、
- 責任重大
- 意外と体力勝負!?
- 店舗-営業担当者の板挟みになることも
ラウンダーへの転職を未経験や中途から目指すには?
結論から言うと、ラウンダーへの転職は未経験や中途からでもまったく問題ありません。求人も、年齢や資格なども問わないものがほとんどです。ブランクがあってももちろんOK。担当する商品や訪問する店舗に対する知識などは必要ですが、業務を通じて自然と身につくので心配も不要です。
ただし、まったくの未経験の場合、派遣社員やパート・アルバイトなどの雇用形態が目立つようです。未経験からのスタートでも、頑張りが評価されると正社員登用される可能性もあるので、まずはチャレンジすることからスタートさせましょう。
ラウンダー志望に求められる具体的なスキル・資格や人柄
ラウンダーに求められているスキルや資格は大きく2つあります。
コミュニケーション力
ラウンダーは、営業担当者と店舗の担当者との架け橋的存在であることは前述のとおりです。そのため、何よりもコミュニケーション力が求められます。日頃から良好な関係を保っていれば、業務のひとつである情報収集や情報伝達もスムースに運び、仕事もますます楽しく快適に進められるでしょう。競合のラウンダーよりも店舗と強固な信頼関係を築くことが、売り上げアップの秘訣です。
顧客目線のセンス
また、売り場の見せ方を検討・提案するにあたっては、センスも重要です。センスと言っても、デザイナーに求められるような本格的なものではなく、重要なのは顧客目線のセンスです。日常的に買い物をする方であれば既にある程度のセンスの土台はできているはずなので、あとはそれを磨いていくだけです。
ラウンダーに求められているのは、
- コミュニケーション力
- センス
などがあります。
未経験/第二新卒だけどラウンダーを目指してみたい!それは可能?
専業主婦だった人が第一線で活躍しているくらい転職のハードルが低めなラウンダー業務ですが、より高待遇を求めるのであれば、転職エージェントの活用がおすすめです。大手企業の求人を扱っていることが多く、商材もラウンダー業務ではお馴染みの食品や飲料だけではなく、化粧品や医薬品など多岐に渡っているのでさまざまな経験や知識を得ることができます。
特に未経験や第二新卒にターゲットを絞ったエージェントであれば、さらに安心して転職への一歩を踏み出せるはずです。こちらの記事では、おすすめのエージェントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:まったくの未経験から売り場づくりの、営業のプロへ
どんな仕事においても未経験からの挑戦は尻込みしがちです。しかし、ラウンダーの仕事には、業界・職種未経験からでも飛躍できる土壌が既に醸成されています。また、営業職を本格的に目指すステップとしても、ラウンダーの経験は有効です。売り場づくりのプロを経て、ゆくゆくは営業のプロを目指してみませんか?