接客業とは?仕事の種類ややりがい、向き不向きまで詳しく紹介します
自分がお客さんとして訪れた店舗や施設で、接客スタッフから気持ち良いサービスを受けて感動した経験がある方は多いのではないでしょうか。その中で、接客業に興味を持った方もいることでしょう。
だけど接客業にもさまざまな種類があり、もちろん性格的な向き不向きもあります。そこでこの記事では、接客業に興味をお持ちの方に向けて、接客業で働くためにはまず知っておきたい基礎知識をレクチャーします。
この記事のもくじ
そもそも接客業とは何か?
接客業とは、その名の通り「お客様と接する種類の仕事」全般のことを指します。直接お客様とコミュニケーションを取り、お客様が満足するおもてなしを行うことを最大のミッションとしています。接客業に従事する方として、販売店や飲食店のスタッフなどがもっともイメージしやすいかもしれません。
ところで、接客業の起源は江戸時代に遡るとされています。江戸時代になると日本のいたるところに都市ができ、それに伴い商業施設などが生まれました。商業施設が生まれたことで、そこを利用するお客様にサービスを提供する、という概念が確立されたのです。その概念が現在ではさまざまな業種・職種に広がっています。
接客業の種類
接客業にはさまざまな種類があります。代表的な種類とその特徴は下記の通りです。
販売スタッフ
商品を販売する職種です。仕事内容は接客・販売のほか、レジ業務、商品の在庫管理や品出し・陳列、売り上げの計算など多岐に渡ります。その職場も、コンビニやスーパー、百貨店やショッピング施設をはじめ、アパレルショップ、書店、家具店、家電量販店、携帯電話販売店など、星の数ほど存在しているのが特徴です。
飲食店のホールスタッフ
飲食店に来店するお客様に対して各種サービスを行う職種です。具体的には、席へのご案内、オーダー確認、食事の配膳、お会計などを行います。お店によっては簡単なドリンクをつくることも。代表的な職場として、定食屋や居酒屋、バー、ファーストフードなどがあります。経験をそれほど必要とされないので、高校生から年配の方まで幅広く活躍できる職種のひとつです。
宿泊施設のフロントスタッフ
ホテルや旅館などの宿泊施設のフロントでお客様の対応を行う職種です。チェックインやチェックアウトの手続きのほか、予約の電話対応、宿泊客の対応、クレーム対応、部屋への案内や道案内など業務内容はさまざまで、それぞれに臨機応変に対応しなくてはならないため、高い接客レベルが問われます。
テーマパークやアミューズメント施設のスタッフ
お客様の案内や誘導、アトラクションの添乗員、施設内ショップでの販売・接客などがテーマパークやアミューズメント施設のスタッフの役割です。お客様と一緒に楽しみながら仕事を遂行できるので、エンターテインメントに携わりたい方、お客様の笑顔を見ながら仕事をしたい方にぴったりです。
交通機関の接客スタッフ
代表的な職種として、バスガイドや客室乗務員などが挙げられます。バスや飛行機などの乗り物での移動中に食事や飲み物の提供をするのが主な仕事となります。移動中にお客様にトラブルが発生した時には、その対応もする必要があります。
美容師やエステティシャン
お客様の要望をヒアリングした上で実際に施術を行う技術職です。スタッフとの会話を楽しみに来るお客様もいる一方、なるべく会話をしたくない、というお客様もいるので、個々のお客様によって距離感を計算しなくてはならないのがこの職種の大変な点であり、腕の見せ所です。
サービス業と接客業の違いはこちら:
接客業のやりがい
接客業は、仕事ぶりやサービスを評価・判断してくれるのは所属している組織の上司というよりもお客様です。お客様からの評価が高ければ高いほど結果的に組織の中で認められたり、自分に自信を持つことができます。つまり、「頑張れば頑張っただけ報われる」というのが接客業の大きなやりがいのひとつでしょう。
また、顔が見えるサービスのため、直接お客様から「ありがとう」という言葉を頂けるのも接客業ならではの醍醐味です。
接客業で働くメリット
接客業特有のメリットもデメリットをそれぞれ紹介します。特に採用されてから「こんなはずじゃなかったのに…」と思うリスクは、事前に把握しておくようにしておきましょう。
求人が多い&採用率が高い
職種にもよりますが、一般的に接客業の求人数は多く、採用率が高いことで知られています。一度何かしらの職種で接客業を経験すれば、職種が変わっても同じ接客業という仕事に就きやすい傾向にあります。
コミュニケーションスキルが身につく
多種多様なお客様と接する接客業は、仕事を通じて自然と「どんなタイプにも対応できる」コミュニケーションスキルを養うことができます。実はコミュニケーションスキルはどんな業界でも通用する「ポータブルスキル」のひとつ。今後転職してどんな仕事に就いたとしても接客業で鍛えたコミュニケーションスキルは重宝されるに違いありません。
プラスαなメリットも!?
接客業は、実は出会いの宝庫でもあります。「出会いのきっかけは職場に今の旦那さん(奥さん)がお客様としていらして…」、なんて聞くことも珍しくはありません。
そのほかのプラスαなメリットは、「賄いがつくから食費が浮く」「新製品や流行に詳しくなる」「社員販売価格で自社商品を購入(利用)できる」などもありますね♪
マナーが身につく
接客業は常にお客様と接する仕事のため、お客様の前に出るに相応しい立ち居振る舞いや身だしなみ、言葉使いなどのマナーが自然と身につきます。それは今後の社会人生活においても財産となるはずです。
接客業で働くデメリット
給与が低め
販売や飲食など特に専門性が問われない業界については、給与が低めに設定されている傾向が高いのがネックのひとつです。
土日や大型連休に休みが取りづらい
接客業は人が休んでいる時がかきいれ時。つまり、土日やゴールデンウイーク、年末年始などにお休みをいただくことがどうしても難しいのが現状です。家族や友人と休みが合わないというデメリットがあります。
マニュアルはあってないようなもの
お客様が1,000人いたらその対応は1,000通りあるわけで、1,000人のお客様に臨機応変に対応する必要があります。一応マニュアルはあるものの、あまり役に立つことはありません。
接客業に向いている人・向いていない人
接客業に向いているのは、人と触れ合うのが好きな人です。初対面の人でも人見知りしない、という方であれば天職かも!? また、立ち仕事が多いため、体力に自信がある方も接客業向きと言えるでしょう。ただし、職種によっては重いものを持ったりして腰を痛めてしまうこともあるので要注意。
一方、接客業に向いていないのは、相手の話に耳を傾けることができず、自分の価値観や会社のマニュアルを押しつける融通の利かないタイプでしょう。いくら人と話すことが好きだからといって、接客業の基本は「おもてなし」です。話すのが好き、だけで通用する世界ではありません。
求められているスキル・資格は?
どんな職種であれ、接客業にはコミュニケーションスキルが求められます。また、相手の立場に常に立って臨機応変に動くことができる柔軟性やフットワークの軽さも求められます。これらのスキルは仕事に慣れたら上達するので自信がない方もご安心ください!
接客業はお客様に育ててもらい「プロ」になれる仕事です
接客業は高校生から高齢者まで活躍できるため、ある意味「ハードルが低い」仕事と思われる傾向にありますが、就いてから一苦労、というケースが多いようです。せっかく憧れの接客業に従事することが出来たのに、「やっぱり合わないかも…」と挫折してしまうのはもったいない! そうならないためには、自分がどの職種なら輝けるのか、誇りを持って仕事に従事できるのかを事前に考えることが重要です。
接客業は、お客様から育ててもらいながら「プロ」になることが出来る仕事です。そうした意識を持って、自分に最適な職種を探してみてくださいね。