マシンオペレータになってみたい。未経験で転職を成功させる方法とは?
マシンオペレーターという職種があることをご存知ですか?オートメーション化、機械化が進む現在において、製造業を中心に多くの求人を目にするようになったマシンオペレーター。文字通り、機械を扱う仕事ですが具体的な業務内容については知らないという人も多いのではないでしょうか。
今回はマシンオペレーターの仕事内容、やりがい、仕事の始め方についてご紹介していきます。第二新卒・既卒や未経験からでもチャレンジできる仕事ですから、興味がある人はぜひチェックしてみてくださいね。
この記事のもくじ
マシンオペレーターが行う具体的な仕事
マシンオペレーターとは、工場で稼働している機械の操作・管理をする仕事です。機械のボタンを押すだけの仕事ではなく、機械を動かすための準備や加工、製造する製品に合わせた数値の設定、不良をなくすための機械の調整、品質管理など業務内容は多岐に亘ります。
製造している製品や工場の規模により業務内容の範囲は異なりますが、各工程でさまざまな業務を担当しなければいけません。高品質な製品を、効率よく生産することを求められる大切な仕事です。
ここからは、マシンオペレーターの業務を大きく5つに分けてご紹介します。工場ごとにマシンオペレーターの業務内容はことなりますから、求人をよく確認してから応募するようにしましょう。
起動確認
マシンオペレーターが扱う機械は、単にスイッチをONにしただけでは正確に動作してくれません。正しい場所に付属品を装着したり、数値を設定したりといった準備が必要になります。異音はないか?アラートはなっていないか?といった確認も同時に行い、工場によってはチェックシートへの記入を行います。
図面確認
特に製造系の工場では、図面の確認もマシンオペレーターがしなければいけない業務となります。例えば、製品を加工する際の穴を開ける位置や穴の大きさ、使うべき工具など詳細な部分まできちんと確認をした上で作業を行わなければ、不良が出てしまうかもしれません。そういったことから、工場によっては図面を読むことができるスキルも必要となります。
機械稼働
製品に合わせた詳細なチェックを行ってから、いよいよ機械を稼働させていきます。機械にプログラムを入力し、稼働ボタンを押せば機械が動き出します。加工の状況によっては、プログラムを修正したり、稼働スピードを調整したりする必要が出てきます。図面通りの製品が作れているか随時チェックをしながら作業を進め、必要があれば修正を加えていきます。
品質調整
不良を出さないための工夫や、より生産性を高めるための方法を模索するのもマシンオペレーターの仕事です。高品質のものを短時間でたくさんつくれるように、プログラムや作業工程の見直しを行います。
機械メンテナンス
機械メンテナンスは、多くの工場で専門的な知識をもった職種の人がいるはずです。マシンオペレーターは日常の業務の中で発生した不具合や不調に関する修理や調整を行います。機械を分解したり検査をしたりすることはなく、消耗した部品を交換するといった作業がメインです。作業の効率化のためにも大切な役割となります。
マシンオペレーターの仕事って厳しい?将来性は?
工場の自動化が進み、AIが人の仕事を奪うという話題も目にする昨今。マシンオペレーターの仕事に将来性はあるのでしょうか?各工場では、生産コストを下げ、安定的に高い品質の製品を製造するために製造工程の“自動化”を進めています。ボタンを押すだけで製品ができてしまうため、人の仕事がなくなってしまうのでは?と不安になる人もいるかもしれませんね。
これまで日本の製造業は、安い人件費で製品を製造できる海外に工場をつくってきました。しかし海外の人件費はかつてほど安価ではなくなり、海外に工場を持つ意味が薄れてきてしまったのです。そこで目をつけたのが工場の自動化でした。人口減少が止まらない日本で、生産性を維持したいと考える企業が工場の自動化を進めています。
では、この自動化によって人が働く場所がなくなってしまうのでしょうか?確かに自動化によって、より効率的に生産ができるようになりますが、人が働く環境が失われるということはないでしょう。マシンオペレーターの仕事は、高い専門性を求められます。その機械でなければ製造できない製品もたくさんありますし、熟練の技術がなければ担えない仕事もたくさんあります。どれだけ機械の性能が上がったとしても、そういった技術を持った人がいなければ、動かすことすらできません。
そういった点からも、マシンオペレーターの仕事がなくなることはまずないでしょう。反対に、より高い専門性と、生産性をあげるための提案力を持つことができれば重宝されるはずです。マシンオペレーターとしての専門性を高めることが大切だと言えそうです。
マシンオペレーターの求人は多い印象があるけれど…その理由は
工場の求人を見ていると、マシンオペレーターの募集が多く出ていることに気がつくのではないでしょうか。マシンオペレーターに限らず、製造業は「人手不足」と言われています。
その原因として考えられるのが、製造業に対するネガティブなイメージです。
製造業と聞くと「単調な作業でつまらない」「休日が少ない」「専門的な知識が必要そう」と漠然な不安や疑問を抱いてしまう人も少なくないでしょう。実際には、未経験からスタートできる職種があったり、シフト制できちんと休日を確保できる工場が多かったりとイメージと反する面も多くあります。イメージが先行してしまい、人手不足の状況が長引いているのは、たいへん勿体無いことです。
最近では、工場見学を行ったり、ものづくりに触れられるFabスペースを展開したりとものづくりの楽しさを実感できる取り組みも増えてきました。マシンオペレーターへの就職に不安を抱えている人は、そういった機会を利用して現場の雰囲気や働きかたを体感してみるのもいいかもしれません。
20代、未経験からマシンオペレーターに転職するのってどう?
20代で未経験からマシンオペレーターになるには、どのような方法があるのでしょうか。マシンオペレーターの仕事は、未経験からでもスタートしやすい仕事です。求人情報を見ても多くの求人に「未経験可」という記載があります。ものづくりが好き、専門的なスキルを身につけたい、といった理由から入社を決める人も多いようです。
さらに、意外に思われるかもしれませんが女性が多く活躍している職種でもあります。一部には、原材料や完成品を運ぶなどといった力仕事もあるようですが、室内で黙々とできる仕事であることから、女性にも多く選ばれている仕事といえます。ここからは、マシンオペレーターの種類ごとにご紹介していきます。
プレス加工機械オペレーター
自動車や工業製品などの金属部品を扱う工場で求人が多いのがプレス加工機械のオペレーターです。比較的大きな部品を扱うことができるため、ものづくりの醍醐味を感じることができるかもしれません。こちらも未経験からスタートできるため、求人情報をチェックしてみましょう。
NC旋盤機械オペレーター
自動車部品や精密機械、電化製品などの部品を加工するのがNC旋盤機械です。製品ごとにプログラムを組み替え、図面通りの製品を作り上げます。0.01mm単位の繊細な正確さを求められるような仕事となるため、神経を使う分やりがいも大きいでしょう。未経験からも十分活躍できる仕事といえます。熟練の技術が必要となる仕事なので、専門的な技術を身につけて活躍の場を広げたいと考えている人にもぴったりです。
プレカットCADオペレーター
木造住宅に使われる木材をカットするプレカット技術。プレカットCADオペレーターは、プレカットに特化した専門的な技術者です。未経験から募集している企業もありますが、1級・2級建築士、建設関連の実務経験などを持っていると優遇されるようです。ものづくりの中でも建築に興味がある人はチェックしてみましょう。
金属加工マシンオペレーター
金属加工と一口で言っても、加工したい製品によって使用する機械は異なります。圧延加工オペレーター、熱処理加工オペレーター、研磨オペレーター、切断加工オペレーターなど使える機械が増えれば業務の幅も広がります。未経験からもスタートできるので、スキルアップをしながら仕事の範囲を広げていけるのが楽しいと感じられそうです。
マシニングセンタオペレーター
複数の加工を1台の機械で同時に行うことができるマシニングセンタを操作する仕事です。加工する製品によって使用する機械は異なりますが、複雑な製品を作れる「5軸制御マシニングセンタ」は5つの方向から対象を加工することができます。複雑な製品の加工が得意で人工関節などはこの機械を使って加工されています。マニシングセンタにはさまざまな種類があるため、未経験で入社した後、徐々にステップアップする工場が多いようです。
マシンオペレーターの仕事に求められているスキルや能力、人柄って…
マシンオペレーターの仕事に求められる能力やスキル、向いている人の特徴について見ていきましょう。
学ぶ姿勢がある
マシンオペレーターの仕事は未経験からでもスタートできます。加工の機械を使いこなすには知識や経験、スキルが必要となるため、学びの姿勢を持っていることは大前提です。常に学びを続け、仕事の幅を広げていくことが大切になるでしょう。使える機械やできる仕事が増えることに喜びを感じられる人は向いている仕事と言えます。
ものづくりが好き
マシンオペレーターの仕事は、ボタンを押して終わりではありません。図面通りの製品を完成させるために、プログラムを修正、工程を調整する必要があります。マシンオペレーターとして携わったものが製品として完成していくことにやりがいを感じられる人、ものづくりに興味がある人には向いている仕事と言えます。
単純作業も苦にならない
マシンオペレーターの仕事は、機械と向き合って黙々と作業を行う仕事です。決して派手な仕事ではありませんが、0.01mmの精密な世界で正確な仕事をしたい人は向いています。人と話すことよりも、じっくりと目の前の仕事に向き合ってみたいと考える人にはぴったりな仕事です。
正確な仕事ができる
マシンオペレーターの仕事は、仕事の正確さを求められます。ちょっとしたミスや確認不足が不良となり、大きなトラブルや事故に繋がってしまう可能性があるからです。任せられた仕事に責任を持って、正確にやり遂げられる人に向いている仕事と言えます。
資格取得にチャレンジするという手も
マシンオペレーターに必須の資格はありませんが、自分の技術を客観的に評価してもらえる「資格」の取得にチャレンジしてみるのもいいでしょう。工場によって使用する機械が異なるため、活かせる資格は異なりますが国家資格の技能検定制度である「機械加工技能士」では普通旋盤作業、フライス盤作業、平面研削盤作業、数値制御旋盤作業、マシニングセンタ作業の技能について認定してもらえます。資格取得はキャリアアップにも役立ちますから、積極的にチャレンジしたいですね。
まとめ
マシンオペレーターにはさまざまな業務があることが分かりました。扱う機械や製品によってその仕事内容は大きく変わりますが、ものづくりへの情熱や高品質の製品をつくりたいという思いは共通して持っていたいものです。
未経験からもチャレンジしやすい仕事ですから、少しでも興味のある人は思い切って飛び込んでみてはいかがでしょうか。工場の自動化やAI化で、これまで以上に専門性が問われるマシンオペレーターの仕事ですから、プロフェッショナルを目指してスキルアップをしていきましょう。